BLOG:2021/02/06 sat

先日、ピカントの雑貨の仕入れのために、ビッグサイトで催されているギフト・ショーという巨大展示会に行ってきた。例年は、丁寧に見回っていると一日じゅう歩き続けてクタクタになるのだが、今年はやはりコロナのことがあって外国からの出店が全くないのと、国内の企業も控えめな感じ。せっかく来たのにちょっと肩透かしではあるけれど仕方ない。
色んな企業の様々なアイデアがひしめくわけだが、こんなご時世なのでマスクの展示が多いのが印象的だった。ピカントもちゃっかり、国旗プリントのマスクを仕入れてきましたけれども。ジャマイカとキューバの国旗柄のやつ。そういうデザインが面白いやつもあれば、機能性をアピールするマスクも沢山。なかには、「通気性バツグン!」と謳われてるやつも。良いのか?それは。マスクとして。とか、思ったり。

マスクと言えば、我々の世代は、ジム・キャリーの映画『MASK』。ラテン風味な“Cuban Pete”が楽しいです。

オリジナルはイギリスでラテンとかハワイアンとかを演奏する楽団を率いたJOSE NORMANというひとらしいですが、よく知りません。
このバージョンは英国ジャズ・ドラマー、ジョー・ダニエルズのバンドの1936年録音。この演奏が楽しくて好き。インスト曲なので、ここでは「チキチキブーン」は言ってくれないですが、生ギターの音が素晴らしいすな。マイク一本で録ってる時代、バンドのアンサンブルなのに、ピックアップなしのアコースティック・ギターで挑むギタリストの勇敢さね。そして、ギター・ソロの入り口で、すっと音量を下げてあげるメンバーたちの思いやり。弱者に寄り添う、それが民主主義の原点です。
この時代、非力だったギタリストたちは、この数十年後にピックアップマイクとアンプを手に入れて、音量の頂点に立ちます。マーシャル三段積みを壁のごとく並べて、あんなに優しくしてくれたバンドメンバーたちへの恩を爆音で吹き飛ばす、そんな恐ろしい時代がやってくることを30年代のギタリストたちは想像もできなかったことでしょう。

「ヴォリュームでかい?はぁ。下げてやろうか?」という態度は、麻生太郎の給付金と同じです。

「音、大きかったですよね。本当にすみません!わたしは皆さんのおかげでここに立っています。ただちにヴォリュームを下げます。どうか、皆で素晴らしいアンサンブルを築こうではありませんか!」これこそ、音量に於ける民主主義の在り方です。

37年にはサッチモがカヴァーして「チキチキブーン」。

キューバ出身の俳優でありシンガーのデジ・アーナスが46年に映画『Cuban Pete』で歌ったのが有名。